「桔梗(ききょう)カット」とは?
桔梗カットは、1つの球体に180面のカットが施されたカッティング技術です。正5角形をベースに、正五角形12枚に囲まれた正5面体で、合計180面のカットを持っています。

この姿がききょうの花びらによく似ていることから、桔梗カットと名付けられました。美しい宝石ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出せるラウンド・ブリリアントカットは58面体でカットされていますが、それと比較すると180面体は圧倒的な技術と言えるでしょう。
コンピューターを駆使しても決して作ることができない桔梗カットは、すべて手作業で行われており、世界で唯一の技術を持つ宝石研磨職人・清水幸雄さんだけが施せる技術として知られています。現在、清水さんは、山梨県甲府市にある株式会社シミズ貴石の専務取締役として活躍しています。
世界で唯一の宝石職人
宝石研磨歴43年という経験を積む清水さんは、手先の感覚と摩擦の音だけで宝石をカットし、手触りと勘だけで行う非常に難しい技術が世界で唯一行える宝石研磨職人です。清水さんが桔梗カットに出会ったのは、ジュエリーマスターを受験しようと師匠のところへ相談に行ったときと言われています。
そこで師匠に桔梗カットを見せられ、見よう見まねでカットしたのが桔梗カットの始まりです。現在では、師匠は亡くなってしまったので、桔梗カットができるのは清水さんだけです。
桔梗カットの技術を習得するためには、20年以上の経験が必要と言われており、今現段階のところ、この難しい技術を受け継ぐ職人がいないのが現状です。
そのため、この技術を後世に残すため、清水さんは現在、宝石美術専門学校で若い宝石職人たちを育成する活動もしています。世界最高技術・桔梗カットが、このまま日本で受け継がれることを多くの方が願っています。
宝石の街・山梨県甲府市の魅力
ジュエリー業界では圧倒的な存在感をもつ山梨県甲府市は、日本で唯一”宝石の街”と呼ばれてます。桔梗カット技術を持つ清水さんも、山梨県甲府市を拠点としています。
多くの宝石ショップがあることはもちろん、宝石学校やミュージアムなどもあり宝石産業が盛んに行われています。自分でオリジナルのジュエリーも作れる工房などもあり、多くの方が甲府市を訪れています。
宝石が好きな方や興味のある方は、一度、宝石の街・甲府市へ出かけてみませんか?

